no.6/カリフォルニアに故郷を見つけた
2011年 06月 09日
非常にレベルの高かったサブのウエストコースト特集。憧れの案内役だ。
仕事でLAに来た時は、交通の便もあるし、打ち合わせのしやすさもあって、
ホテルは、ハリウッドのホリデーインに決めていた。
ただし、環境はあまり良くない。
パンフレットのハリウッドとは大違いで、夜は出歩かない方が、無難だ。
仕事だから、その辺は我慢するとして、朝食がいけなかった。
広いビュッフェスタイルの食堂は、いつも日本の団体さんで溢れていた。
僕が、アメリカ気分の朝食のつもりで、食堂に入っても、
結果、日本の温泉旅館の気分になって、帰る事が多かった。
無理を言って、ホテルを変えてもらった。
うるさい事は言わないから、アメリカ的な気分が味わえる所。
それがコーディネーターに出した、僕の注文だ。
ところが、それが難題らしい事がわかった。
ハリウッドで他に泊まる所と言えば、サンセットブルーバード沿いのモーテルだ。
近いので、すぐに車で見学に行った。
フロントオフィスの前に車を停めて、外に出てみると、午前中だというのに、
田舎顔のカップルが、はしゃぎまくっていた。
コの字型の建物が、そのプールをぐるっと囲んでいて、
明るさといい、シチュエーションといい、映画のトゥルー・ロマンスそっくりだ。
遊びならともかく、安全性の面で不可にした。
メルローズにもなく、ウエストウッドにもなく、ビバリーヒルズは元々予算的に問題外だし、
最後に残ったダウンタウンのホテルも、経営が日本企業とくれば、ホリデーイン以上に日本的だ。
ダウンタウンと言えば、ご存知の様に日本人街のリトルトーキョーのある地域だ。
どんなに長い滞在でも、僕は日本恋しさになったりしないが、大の甘党(特にあんこ好き)
なので、昔から続く、三河屋という店に、大福餅を良く買いに行く。
懐かしい昭和の味がする。水羊羹もおいしい。すあまも捨てがたい。
この前、なんとオレンジのすあまがある事を知って、食べてみた。
車で走りながら、紙包みを破いて、口に入れたら、すあまらしいモチモチの感触で
しっかりとオレンジの香りもした。後を引きそうな不思議な体験だった。
推薦のリトルトーキョーの味をもう一つ。寿司屋や土産物の並ぶアーケードの中に、
日本の田舎町で見る様な、普通のパンやさんがある。名前は忘れた。
ここのねじりドーナツも、口に入れた瞬間に微笑みが浮かぶ昭和の味で、
僕はいつも4,5本買って帰る。クリームパンもおいしい。
尚、上の写真は、僕が作ったパンフレットの複写。
グレンデールは、LAの東隣に位置する、地方都市の雰囲気を持った、静かな街だ。
メインストリートを挟んで、平屋と2階建ての商店が並んでいる。
朝の散歩の途中ですれ違う人は、「グッドモーニング」と声をかけてくる。
ハリウッドとは、雲泥の差だ。
僕たちは、コロラド通りに面した、バガボンドインを仕事の新しい拠点にした。
以来、グレンデールの街が、僕のアメリカの故郷になった。
バガボンドインのフロントから。
朝、フリーのコーヒーとリンゴが置いてある。
何年か前、街の中心にスターバックスの入ったテナントビルが出現して、
グレンデールも雰囲気が少し変わってきたが、LAに用事がある時は
相変わらず、僕は、バガボンドインを利用している。
インの隣のフォクシーで朝ごはんを食べる楽しみもある。
メキシコ料理を、絶妙にアメリカ風にアレンジしていて、休日には朝食なのに順番待ちになる。
グレンデールに来る様になって、朝食までの散歩が、密かな楽しみになった。
ソニーのウォークマンが発売されたばかりで、結構重かったが、
専用のケースをベルトにつけて歩いた。
ウォークマンの中には、LA用に自分で録音編集した、90分テープが入っていた。
ジャクソン・ブラウンなどの西海岸出身のソングライターの歌が多かった。
毎朝、モーテルから適当な方向に歩き出して、片面の45分の終わる音を聞くと、
それを合図に、ホテルに引き返した。
ジャクソン・ブラウンのファーストアルバムを、僕は3枚持っている。
1枚は、1972年のアサイラム盤で、何年も聞きすぎて、
ジャケットの底が破れているし、盤面も傷だらけだ。
2枚目は、同じ時期に買った日本盤で解説文と歌詞の翻訳が読みたくて手に入れた。
3枚目は、サンタモニカの中古レコード店で見つけたもの。
LAの空気付きの僕用のお土産だ。
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by kagedesu
| 2011-06-09 01:43
| DRIVE PHOTOS, USA